記憶がございません

恐れ多くもKINGと一緒に拝見させていただいた『ガール・オン・ザ・トレイン(原題:The Girl on the Train)』。

主人公はバツイチ無職のアル中女性・レイチェル。電車に乗ってボーッと景色を眺めるのが日課のやや廃人系女子。お気に入りの風景は、仲のよさそうな夫婦とそのお家。自分が結婚していた頃には実現できなかった理想の生活に憧れを抱きながら、ひたすら電車に乗る日々だった。強いお酒を煽りながら。

ある日、理想だと思っていた夫婦に不倫疑惑が持ち上がる。いつも通り電車から眺めていたら、嫁が旦那ではない男とイチャついていたのだ。見えるところからイチャつく方もイチャつく方ですね。そんな姿を目撃したレイチェルは酩酊状態でその嫁に物申しに行った……はずだった。

気づくと自宅でボロボロになっているレイチェル。ところどころ怪我をして血が出ていたり、衣服に枯葉とか土とかついちゃっている。「あの女に文句を言いに行って……どうしたんだっけ?覚えてない!なんで家にいるん!?しかも頭から血でてるやんけー!」

「記憶がございません」状態。

ハングオーバーみたいな映画ならここでトラとか出てくるんだけれど、本作はサスペンス。レイチェルは間も無くして、例の嫁が行方不明になっていることを知るのでした。レイチェルがその嫁をどうにかしてしまったのか。もしや殺してしまったのか。

離婚歴がある酒浸りの女をガールと言って良いかはさておき、映画の最中、ボロボロになっているレイチェルが記憶がなくて慌てふためいているシーンがあった。まるで自分を見ているかのようだった。

公園で全裸になって「シンゴー!」と叫んだ人、女子高生に手を出そうとした人、灰皿にテキーラを注いで人に飲ませようとした人、タクシー降り掛けに運転手を殴った人、泥酔してお尻を出した子一等賞となり禁酒を宣言するも結局飲酒して今度は局部をさらされた人。共通しているのはみなさん「過度な飲酒をしていた」ということ。

私も大酒呑みなので他人事ではない。粗相をおかして「よしこメンバー」「vichメンバー」「vichはbitchだった」とすっぱ抜かれてもおかしくはない(誰に)。「我々も悔い改めよう」「適量を美味しく飲もう」という話題がここ数年、友人たちとの会話に頻出するようになったため、テキーラを飲む際に思わずチェイサーを手元に置くようになった。それでも飲み過ぎることもあるんだけど。

そんな教訓を心に刻みたくなるこの映画。最後は「え?そうなる?」のドンデン返し……いや、デン返しくらいでしょうか。「あーね、なるほどね」と唸らせてくれますので、お酒飲む方はぜひとも見てみてください。そうでない方も、サスペンス好きなら楽しめると思います。

ちなみにこの映画の主人公・レイチェルを演じる女優はエミリー・ブラント。彼女の出演作で好きなのはこれ。

『ボーダーライン(原題:Sicario)』。原題はスペイン語でヒットマンや殺し屋を意味するのだとか。FBIや麻薬カルテルが出てくる私好みのタイプ。これについては別のブログで。

この2作に関連性はないのですが、ここであえて、飲み過ぎと楽しく飲めるボーダーラインについて考える。健康のためにも🍺

人はなぜ飲みすぎるのか。「暑いからついゴクゴク飲んでしまった」「楽しかったから盛り上がってしまった」「美味しくて口に運んでしまった」「緊張して喉が渇いて飲んでしまった」等々いろいろあるでしょうが、私の経験上、ブラックアウトするほどよく飲んでしまう人、毎度人格が変わるほど飲んでしまう人は、何かを忘れたい場合が多いのかも。抑圧している何かがあったり、悲しいことを経験したり、どうにもならない心の傷があったり。レイチェルは映画の中の人だけど、彼女にもいろいろあったようで、そういう設定でもなければアル中になんてならないから。酒の量をどうにかするというだけではない問題が横たわっているのかも、と自分にも言い聞かす。

お酒はほどほどに。

⚠️以下、少しネタバレになります⚠️

この映画の本当の問題はお酒ではなく、クズ男がカギを握っている。クズはクズと化せばいい。そんなそのクズ男は誰なのか。ぜひご覧あれ。

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