キング・イン・ザ・シアター

外国人観光客だけでなく、日本に住まう外国人は以前より格段に増えたように思う。数えたわけでなく感覚値ですけど。

そうなると服に書かれた横文字に気を使う必要がある気がする。むやみやたらに『FBI』って記されたモノをきてはいけない気がする。本気にする人がいるでしょう。FBIファンの私のように。

子どもの頃に体格のいい横綱おばさまと曲がり角でぶつかりそうになったのだが、その女性が着ていた黒いTシャツwith白色の文字。

これがトラウマとなり、私は子どもの頃から文字入りの洋服を敬遠してきた。

例外として文字入りのもので着用する代表はこれ。

オーバーサイズでとてもお気に入り。横綱がもしこれを着ていたなら、私は横文字デフレスパイラルを抱えず、意味不明な英文が書かれたTシャツを現在でも着ていたかもしれない。ある意味、感謝。

そんな横文字注意な現代社会を謳歌する私には、ぺろんぺろんになるまで飲み歩く愉快な飲み友だちがいる。

そんな仲間たちとしこたま飲んでベロベロになりながらハシゴ移動している最中、アメリカ人男性が横断歩道でナンパしてきた。こっちは女3人、あっちはピン。ダンだかベンだかそんな名前だったと思う。

彼は言葉巧みに、我々と同じ店に入るタイミングで周りにいた外国人をかき集めてみんなで飲むことになったのでいきなり頭数のそろわない合コン形式となる。うち一人はJJエイブラムス似だったので、よしこはとてもワクワクしたことを覚えている。(JJエイブラムスに対する想いについてはこちらを参照)

JJ似を前に気持ちが高ぶって海外ドラマの話をするものの、私が興奮して話す内容がゾンビ、軍モノ、FBI、CIA関連で趣味趣向の偏りが強すぎるのが悪かったのか。たいして盛り上がらなかった。ショックでまた海外ドラマを17時間ぶっ通して見てしまいそう。(詳しくはこちらを参照)

「ミニオンズを見ているうちに字幕なしで会話の内容がつかめるようになった」と語るピュアな女が飲みの場では男性ウケ良しなのかもしれない。言語習得も男女の仲も難しいね!

やりきれないので酒をしこたまあおり、スプラッシュマウンテンする者が出てきた後に解散。その姿はまるでマーライオンのようでとってもインターナショナルな夜でした。一緒に食べた焼き肉が変わり果てた姿でそこに存在していました。アーメン。

私は例のダンだかベンだかと帰りの方向が一緒だったこともあり、帰宅中に連絡先を交換した。そのすぐ翌日(日付が変わっていたのでその日なんだが)、映画を観に行く約束をしたのだ。

待ち合わせ場所に行くと、物陰から急に出現するダンだかベン。

その姿に釘付けとなり、私はフリーズした。

キレイめのお兄さんスタイルがお好みのダンだかベンはブレザー、細身のデニム、すっきりとした革靴を着用。そこまではいいのだが、なぜかB-BOY顔負けの黒いキャップをかぶっているのだ。しかもフロントには

ものすごい太い刺繍で白い文字だから遠くからでもはっきり見える。ブラックライトの下でこそ本領を発揮するだろうよ。

子どもの頃に出会ったザ・スーパー・モデルが頭をよぎった。流行のアドラー心理学ではトラウマは存在しない(『嫌われる勇気』に書いてあった)とのことだが、このときトラウマは確実に存在すると思った。黒字に白い刺繍で書かれた強すぎる横文字。ヤメテー!横綱もキングも強め!

そーゆーの意味わからず被ってる日本人を見るのが面白いって、目覚ましテレビの街角調査でインタビューされたアメリカ人が言ってたよ。ダンだかベン、あんたもアメリカ出身やろ。

なんなら黒地に白文字でペリーって描いた気の利いたキャップでもかぶって下関に来航してくれ。

極めつけにダンだかベンの手には

が握られている。黒地に白文字で男梅。
ぜ……絶妙すぎて気絶しそう。

そんな彼と見た映画は『ガール・オン・ザ・トレイン(原題:The Girl on the Train)』。

私のgirlの発音がイマイチで一緒に発音なんかしてキャッキャ盛り上がったように見えたが、彼を見るたび目に入る

「あなたがキングなら私はクイーンね」なんて気の利いたことが私の口からでも出ないほどの威圧感。

「出会った前の晩はスーツだったからダンだかベンがキングって分からなかったよ。ご無礼をお許しください」とはならないよ!

こんな感じで終始、話に全然集中できない『キング・イン・ザ・シアター』。

映画の後、飲みに行こうと言われたけれど理由を作って直帰。なぜならよしこ、吹き出しそうだった『フロント・オブ・ザ・キング』。その後も光栄なことにキングから「苦しゅうない、近う寄れ」って連絡がきたけれど「身に余るお言葉です」って謙遜していたら連絡が途絶えた。

” R ”の発音は少しずつ矯正中。キングには舌を意識しすぎるなとアドバイスをもらいました。

お粗末様でした。

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